九州旅行3日目。
博多のビジホを早朝からチェックアウトし、未だ人の往来もまばらな時間帯を走り出す。
なんとなく名古屋よりも日が昇るのが遅いようで、時刻はいつもの出勤時間と同じだが
未だ夜が明けきってはいないところに違いを感じる。

天神前の幹線道路を西鉄やJR沿いを南下。
博多の繁華街は信号停止ばかりだったが、住宅街に入ると信号の数が幾分減って順調に進む。
大宰府市に入った頃には通勤通学の人たちが行き来に交じって、
犬の散歩やジョギングする人が多いなと思ったら、大宰府跡に到着。
史跡には朝の散歩がてらに来た人が多くいた。

先に進むとすぐに大宰府駅前の天満宮参道に出る。
未だ時間が早いのでお店はやっておらず、梅枝餅はやっぱり食べられそうにない。

鳥居前に自転車を停めて、人気の少ない参道を進む。

3度目の大宰府天満宮。
今回は娘の受験を控えていることもあり、かなり切実に合格祈願のお願いをしておく。
LINEで家族に連絡したら、『しっかりお願いしといて!』と返ってきた。
1ヶ所だけ早朝からお守りなどを販売していたので、無事に学業成就のお守りを購入できた。
これで九州旅行の目的の半分は達成したような物でホッとした。

天満宮最寄り駅のJR二日市駅に行き、18切符を使う前提で
由布院行きの列車を調べると、どうも昼過ぎにしか着かない。
いくらなんでも時間掛かりすぎだろうとよく見ると、特急以外は乗り継ぎが悪く
朝のどの列車に乗っても昼頃に日田駅発の普通列車列車に乗ることになるらしい。
諦めて由布院に一番早く着く、特急ゆふ1号に乗ることにしました。
列車内は空いているとはいえ、自転車を置くスペースは無く、
無理やり立てた状態で手すりにタイダウンベルトで括り付けることで、
何とか通行に(あまり)支障なく置くことができました。(たぶん)

由布院駅には10時に到着。
一緒に降りた乗客からは韓国語しか聞こえてきません。
しかも若いカップルやグループばかりというのも意外でした。

コンビニで早めの補給をし、R210の平均4%程度の坂をひたすら登る。
左側には由布岳が見えるが、雲に隠れてすっきりとした姿は見えなかった。

R210から県道11号線に分岐する交差点に差し掛かり、
ここからやまなみハイウェイが始まる。

そこそこの登りが続いたかと思えば

長い下りがあったりと、アップダウンを頻繁に繰り返しながら少しづつ標高を上げていく。

やまなみハイウェイに入って17km程走ったところで、視界が開けて飯田高原が見渡せる
朝日台という名の高台に出た。
行く手にそびえる九重連山にはどんよりした雲が掛かっている。
幸いここまでは雨は降ってはいないし、天気予報も大丈夫そうだが・・・。

飯田高原に入ると、観光や宿泊施設の案内が賑やかになってくる。
九重”夢”大吊り橋にも寄ってみたかったが、ルートから少し外れているし、
たぶん渡ることは無いのでパスした。

チョット趣向を変えて、久しぶりにmatzさん風のショット。

本来なら九重連山の景色が見えるはずだが、すっかり雲に隠れてしまっている。
するとポツリポツリと雨が降り出す。しばらく雨宿りをしてみるが
本降りになる気配は無く、小降りだったので再び走り出す。
その後は細かい雨が降ったり止んだり。

飯田高原の観光案内。
北が変な方向向いていて分かりずらい。

牧場の案内看板だが、明らかにあの名作アニメのパクリとも言えるし、
少女が似てなさ過ぎて尚更アカン度というか残念度が増した感じ。
ヨーゼフやユキちゃん(もどき?)が良い線いっているだけに・・・。
ひょっとして著作権逃れにわざと外したか?

雲は時折切れて青空が覗くが、道路は少し前にしっかり降った感。

一時的でも晴れて来ればさわやかな高原サイクリングの雰囲気が出てきます。

長者ヶ原のビジターセンター前に来たところで、急に大粒の雨が降り出したので、
再びしばらくの雨宿りとなる。
ついでにビジターセンター内の九重の自然についての展示物を一通り見学すると、
少し小雨になっていた。
スマホで雨雲を見てみたら、またすぐにもうひと雨来そう。
遠くでゴロゴロ鳴っている。雨雲が流れてくるというよりも地形的に雲が発生している感じ。

向かいの土産屋の喫茶スペースで、しばらくティータイムしながら時間を潰す。

雨が止んだところで意を決して出発する。

ここから牧の戸峠までは標高差300m程、平均5%強の坂が続く。
寒の地獄温泉という温泉街を通るが、時おり濃い硫化水素の匂いと
通り雨による湿度の高い空気が入り混じって鼻をムズムズさせる。

峠のすぐ手前で崖崩れによる片側交互通行と工事が行われており、その手前に現れた注意看板。
しっかり4か国語とインターナショナルな看板でした。

続けてもういっちょ。

停止信号からは先ほどまでいた飯田高原が、うっすら雲に隠れながら見渡せた。
峠はもうすこしのはず。

サイドバックを引っかけた重い車体で長い登りはしんどいが、ようやく牧の戸峠に到着。
小雨と1330mの高い標高、雲で日光も遮られて涼しいというよりもちょっと寒いくらい。

峠の駐車場を進むと、何やら違和感のある乗り物発見。

売店でその持ち主を見つけ、話しかける。
今日、同じく由布院から阿蘇に抜けるコースを走っているようで、これから内牧温泉に向かうとのこと。
”雨の日の荷物満載のママチャリで下るのは本当にヤバい”って豪快に笑ってましたけど、正直笑えない。w
夏はブルーシートを掛ければ何処でも寝られるから良いよねって、これまた強者な発言。
このコースで阿蘇に来るのは7回目らしく、それでも綺麗に阿蘇山が見えたのは2回しか無いって言ってましたので、
こんな日は阿蘇を見るのは無理だろうなと半分諦めモード。
九州もあちこちをママチャリで走っているらしく、面白そうなコースについて色々と教えてもらいました。

寒いといいつつも、何となくご褒美的なものが欲しくソフトクリームを購入。
剛脚ママチャリダーは一足先に下っていきました。

山頂はあいかわらずの霧雨。
阿蘇側のほうが雲が濃い感じですが、この時は下れば晴れていると思い込んでいました。

雨に荷物満載とあって、なかなか効かないブレーキを強めにかけながら
慎重に下るが、雲はますます濃くなる感じ。
スマホやカメラ、財布をビニール袋に包んで丸め、背中のポケットに入れ直す。

下り勾配が緩やかになり、時折登りが交じってくるくらいまで降りたので、外輪山の高さまで降りたようだ。
周囲は深い崖の凹凸にも草がびっしり生え、見渡す限りの荒野に
緑の絨毯を敷き詰めたような景色。
霧で霞んで濡れた道路がどこまでも続く気がする。往来の車も少なくちょっと幻想的。

時折大粒の雨が局地的に降り注ぐが、この時は丁度野菜の路地販売店に雨宿りさせてもらった。
おばちゃん同士が会話しているが、内容の半分も聞き取れない。
九州出身者が周囲に多く、免疫はついているはずだと思っていたんだが。
名古屋ナイズされた方言とは一味違う。

時折牧場や何かの小屋は見かけるが、見渡す限りの草原の緑に圧倒される。

走れど走れど緑の回廊の中という感じ。
山中の木々に覆われた林の中を走るのとはちょっと違う、何とも言えない感動を覚える。



県道11号線から県道45号線ミルクロードへの三叉路に出た。
このまま降りて城山展望台方面に行くことも可能だが、
諦め悪くきっと何も見えないであろう大観峰へと向かう為に右折する。
一層霧なのか雲なのか目の前数十m先ですら見えず白く淀んだ景色の中を
本格的な雨が降る、緩やかな登り基調の坂を進む。
何となくミルクロードという言葉がしっくりくる気がした。
大観峰公園という標識が見えたが、そこもまた白く霞んでいる。

もう少し手閉園時間となる時刻だったので、急いで公園の売店から先の歩道を自転車押して進み、
大観峰に到着。
やっぱり何も見えず雲の中。

時折強い風に吹かれた雲の切れ目から、阿蘇の下界が薄っすら透けるが
すぐに雲の中に戻ってしまう。

更に進んでこの旅最大の目的地としていた”ラピュタの道”まで進む気にならず、
坂を下り内牧温泉まで降りてから、予約した宿のある阿蘇駅界隈を目指す。
阿蘇の街まで降りても肝心の阿蘇五岳がどこにあるのやら。
とにかく雲が低いのか、周囲の山々が高いのか、どこ行っても展望が良くなる気がしない。

阿蘇駅の手前で正統派チャリダー発見。
駅前の道の駅に入って行くので、後でお邪魔してみよう。
まずは宿にチェックインを優先。

今日の宿は”Aso Base Backpackers”というゲストハウス。
1泊¥2,800なり。

駅前の好立地とあってすぐに発見できました。
まだ見た目新しく、しかも1軒屋。

リビングも広々。
本棚には蔵前仁一さんや”旅行人”関連の書籍をはじめバックパッカー本が何冊も。
何冊かは持っていたり、図書館で借りて既に読んでいたりで、なんか嬉しい。

何部屋にも分かれたドミトリー。
空き部屋に2段ベットを置いたというのではなく、それ用に据え付けた形と
ユーティリティー類の配置から、最初からゲストハウス用に設計した間取りとなっている。

洗面所の奥は4つのシャワー室。

木材を多用した共用キッチンや、外国製キッチン道具類がおシャレ。

ただ自分以外は100%外国人。しかも欧米系バックパッカーばかりで
その輪の中に入っていける勇気も語学力も無い。
必然的にこの日は1人読書するだけで夜は更けていったのでした。
そういえば先ほどのチャリダー君。
故郷和歌山を出発し、北海道など各所で”沈没”しながらかれこれ2年半こんな旅をしているそうだ。
同じ和歌山出身の石田ゆうすけさんのことを知り、同じような旅を始めたとのこと。
とりあえず47都道府県を回る目標で、残すは鹿児島、沖縄と鳥取、島根くらいらしい。
この道の駅でしばらく泊まって阿蘇も今日で3日いるが、なかなか晴れず良い景色を
見られないので離れ難いらしい。この大荷物で明日はダメ元で大観峰に登るって。
自転車は定番のグレートジャーニー。後ろに素潜り3点セットにヤスまで積んでいるあたりが
何とも素晴らしい。
この自由さなのか、若さなのか、それとも旅立てる勇気なのか、無性に羨ましいと感じる自分がいた。

おまけの写真。
小型電動モビリティの導入促進事業の社会実験用2台が駐車。
面白そうで乗ってみたい。

その傍に駐車してあった”くまモン”カー。
これにはちょっと・・・。

この日のコースは
博多~大宰府は
こんなん走行距離:25km
由布院~阿蘇は
こんなん走行距離77km。獲得標高1436m。
電車の乗り継ぎは
二日市 7:57発~由布院10:01着
特急由布1号 ¥3,710
- 2015/08/03(月) 10:45:56|
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